理事長挨拶

 

 当基金は、戦後、昭和27年の日米講和条約発効から昭和47年までの復帰までの間、米軍による立入禁止や操業制限によって、沖縄県の漁業者が被った被害に対し、日本政府から特別支出金として拠出された30億円を基本財産として、他府県に比べ立遅れている沖縄県の漁業振興を図るために、昭和53年に公益の財団法人として設立されております。 

 昭和47年の復帰当時、沖縄県漁業の立遅れとして6つの課題が指摘されておりました。1つが漁港整備等生産基盤の整備、2つが200海里時代を迎えた遠洋漁業の衰退に伴う沿岸漁業の振興、3つが漁船の近代化、4つが漁業生産の安定化を目指した栽培漁業の推進、5つが脆弱な漁協経営基盤の強化、6つが漁業技術の開発であった。

やがて、復帰40周年を迎えんとして、漁港等の生産基盤については、国、県の計画的な整備が図られておりますが、漁業を取り巻く環境は、水産資源の減少、漁場環境の保全、燃油の高騰、魚価安等、新たな厳しさを迎え、漁業の再生に向け新たな取り組みが求められ、当基金の役割が一層重要になっております。

本県漁業の歴史を振り返って見ますと何度か大きな転換期がありました。その節目には、海に学び、海に生き、海と共に暮らしてきた海人の知恵が新しい道を拓き、当基金はそのような漁業者の知恵を支援しつつ本県水産業振興に寄与してきました。

しかしながら、当基金は運用益による漁業者支援が基本であり、低金利時代の金融情勢下では支援幅も少なくなっておりますが、厳しい状況の中にあっても沖縄県の水産業再生のため、また、更なる発展を目指して、役職員ともども全力を挙げて取り組む所存ですので、皆様のご指導とご支援を宜しくお願いします。

金城明律